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サンプル日記

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2010年 04月 29日

真夜中とユリイカ

・真夜中NO.9に演劇のエッセイを書きました。
・ユリイカ「ポン・ジュノ特集」にエッセイを書きました。

是非読んでみて下さい。

慶応大学で行うワークショップのために
「ハムレット」を再読する。
ところどころ爆笑する。
こんなにハムレットってメチャクチャだったかと。

マクベスも魔女にそそのかされて狂っていく。
魔女の言葉にあんまり根拠がなくて
その不安が現代的だと思っていた。

その点、
ハムレットは復讐という大義名分で
一応筋が通っているような気がしていたが
復讐になっていない。
復讐、復讐とぶつぶつ言いながら
周りから「やれやれ」と言われてる人みたいだし、
女性に対してやたらとねちねちイヤミを言うし、
同級生にはもの凄く冷たかったりする。
こういう人、ドストエフスキーの登場人物でいるなあって感じ。
ハムレットを復讐に促す父親の亡霊もどこかマヌケだ。

マクベスは根拠なしでも
行動を起こしてしまったから
雪だるま式に追い詰められるけれど

ハムレットは根拠ありのようでありながら
行動を起こさないし、
そもそも行動を起こす前からおかしい。

ハムレットに対して感情移入するのが難しい。
マクベスは弱みもあって人間っぽいけれど、
ハムレットは人間っぽくない。

そこがいい。
この誰からも同情されないような
やぶれかぶれは何なんだろう?
憧れのキャラクターだなあ。

by shu-mats | 2010-04-29 22:00


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